1. Beyond 5G機能実現型プログラムのうち基幹課題について
公募予定の研究開発課題は次のとおりです。
(1) Beyond 5G超高速・大容量ネットワークを実現する帯域拡張光ノード技術の研究開発【課題045】
・概要:モバイルアクセスの超高速・大容量化と超低消費電力化を目標とするBeyond 5Gのバックボーンとなるオールフォトニクス・ネットワークを実現するために、光波長チャネルの周波数幅とそれを収容する波長多重ノードの帯域幅をそれぞれ広帯域化し、1Tbps級の大容量波長チャネルの長距離伝送(500km級)を可能とする帯域拡張光ノード技術の研究開発を行う。光波長チャネルあたりのビットレートと距離の積を従来の3倍程度に拡張することでオールフォトニクス・ネットワークの適用範囲を拡大し、我が国が強みをもつ光ネットワーク技術の一層の強化を図ることで、Beyond 5Gの持続的発展に大きく寄与する。
・研究開発期間:契約締結日から令和8年度(毎年度実施する継続評価等を踏まえ、継続の必要性等が認められた場合は翌年度まで継続予定(最長で令和8年度まで))(予定)
・研究開発予算:総額40億円/年(税込)(予定)
・採択件数:個別に設定する研究開発項目毎に1件
(2) Beyond 5G超高速・大容量ネットワークを実現する小型低電力波長変換・フォーマット変換技術の研究開発【課題046】
・概要:Beyond 5Gのバックボーンとなるオールフォトニクス・ネットワークの利用効率向上を実現するため、デジタル信号処理回路技術やシリコンフォトニクス技術の活用により光/電気/光変換を行うことで800Gbps以上の光波長チャネルごとに小型かつ低電力で柔軟に波長変換すると共に、波長の変換にあわせて変調方式、信号帯域等のフォーマットの変換を行うことで光波長リソースの有効活用を可能とする波長変換・フォーマット変換技術の研究開発を行う。現行技術(既存100Gbps再生中継器)と比較して、ビット当たり1/10の小型化及び1/10の低電力化を実現することで、オールフォトニクス・ネットワークの適用範囲を拡大するとともに、2030年代のBeyond 5Gの持続的発展に大きく寄与する。
・研究開発期間:契約締結日から令和8年度(毎年度実施する継続評価等を踏まえ、継続の必要性等が認められた場合は翌年度まで継続予定(最長で令和8年度まで))(予定)
・研究開発予算:総額40億円/年(税込)(予定)
・採択件数:個別に設定する研究開発項目毎に1件
(3) Beyond 5G超高速・大容量ネットワークを実現する光ネットワークコントローラ技術の研究開発【課題047】
・概要:オープンなアーキテクチャに基づき、マルチベンダの光ネットワーク装置間で動作、オンデマンドにEnd-to-End光波長パスの設定・管理を行う、光ネットワークコントローラ構成技術の研究開発を行う。特にオールフォトニクス・ネットワークの要件からAPIや機能間IFの技術仕様を策定し、それに基づいた光ネットワークコントローラの実現、および、その運用性・サービス性を向上させる自動制御シナリオを実行する技術の実現により日本全域をカバーするキャリアグレードのコネクション制御技術の実用化に寄与する。
・研究開発期間:契約締結日から令和8年度(毎年度実施する継続評価等を踏まえ、継続の必要性等が認められた場合は翌年度まで継続予定(最長で令和8年度まで))(予定)
・研究開発予算:総額33億円/年(税込)(予定)
・採択件数:1件
(4) Beyond 5G超高速・大容量ネットワークの自律性を確保するネットワークサービス基盤技術の研究開発【課題048】
・概要:無線リソース・データセンタのコンピューティングリソース・ハードウェアの自律制御に基づく設備/電源最適化による省電力化・高性能化の実現、及び、設備の構築から保全にわたる業務全体を自動化することにより、安心・安全なネットワークサービス基盤技術の研究開発を行う。O-RAN等の仮想化された基地局については、構成要素の相互接続・相互運用性を確保する。また、トラヒックの需要に応じたソフトウェア基地局の仮想リソース配備とアンテナの省電力モード設定の最適化技術の開発により、サーバの稼働台数やアンテナの消費電力を低減し、最適化なしの従来運用と比較して最大30%の消費電力削減の実現に寄与する。
・研究開発期間:契約締結日から令和8年度(毎年度実施する継続評価等を踏まえ、継続の必要性等が認められた場合は翌年度まで継続予定(最長で令和8年度まで))(予定)
・研究開発予算:総額47億円/年(税込)(予定)
・採択件数:1件
2. Beyond 5G機能実現型プログラムのうち一般課題について
・概要:NICTでは、Beyond 5G研究開発促進事業に関し、意見募集を踏まえて、開発対象と具体的に開発する技術等の候補例(「開発技術候補例リスト」)
*を作成し、令和3年4月16日に公表しました。当該リストを参考にして、研究開発課題を広く提案していただく予定です。なお、今回の公募では、Beyond 5Gの実現により想定されるサイバー空間とフィジカル空間を連携するためのデータ連携技術に係る研究開発について、採択評価基準を満たす提案の中から優先的に採択します。(予定)
*
https://www.nict.go.jp/info/topics/2021/04/pdf/list01.pdf
・研究開発期間:2~4年程度(予定)
・研究開発予算:1件あたり最大5億円/年(税込)(予定)
・採択件数:5件程度(予定)
3. Beyond 5G国際共同研究型プログラムについて
・概要:Beyond 5G研究開発が具備すべき機能として挙げられている「超高速・大容量」、「超低遅延」、「超多数同時接続」、「自律性」、「拡張性」、「超安全・信頼性」、「超低消費電力」を実現する上で、どのような技術シーズを創出できるか、要素技術の確立に向けてどのような貢献ができるかを説明して、提案していただきます。なお、令和4年度の本プログラムの実施については、国際共同研究の形態として、Beyond 5G等のICT分野の先端技術に関する研究開発協力について、政府間の合意がある国・地域等の研究機関と共同で、又は、国際的なコンソーシアム(連携機関)と連携して、研究開発を行うものを対象とします。また、国際共同研究の相手が、相手国からファンディングを受けている場合には、研究開発内容、共同研究の意義、ファンディングの規模等を踏まえ、優先的に採択します。(予定)
・研究開発期間:2~3年程度(予定)
・研究開発予算:1件あたり最大1億円/年(税込)(予定)
・採択件数:シーズ創出型プログラムと合わせて10件程度(予定)
4. Beyond 5Gシーズ創出型プログラムについて
・概要:Beyond 5G研究開発が具備すべき機能として挙げられている「超高速・大容量」、「超低遅延」、「超多数同時接続」、「自律性」、「拡張性」、「超安全・信頼性」、「超低消費電力」を実現する上で、どのような技術シーズを創出できるか、要素技術の確立に向けてどのような貢献ができるかを説明して、提案していただきます。また、Beyond 5Gが実現する通信インフラで期待される新たなアプリケーション開発に関する研究開発も対象に含めます。なお、今回の公募では、Beyond 5Gの実現により想定されるサイバー空間とフィジカル空間を連携するためのデータ連携技術に係る研究開発について、採択評価基準を満たす提案の中から優先的に採択します。また、幅広い研究者、研究機関の支援を図るため、「特別枠」として、①代表研究責任者が若手研究者(39歳以下等)であるもの、又は②代表提案者が中小企業であるものについて、一定件数採択することも検討します。(予定)
・研究開発期間:2~3年程度(予定)
・研究開発予算:1件あたり最大1億円/年(税込)(予定)
・採択件数:国際共同研究型プログラムと合わせて10件程度(予定)。なお、そのうち「特別枠」として数件程度採択を検討(予定)